空いっぱいの空

愛にあふれた短い言葉を差し上げたい

初めて卒業発表に出会した

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15/12/17乃木坂46アンダーライブ@日本武道館に行ってきた。10月にやってたアンダーライブ4thシーズンのファイナル的な位置付けの公演であり、2014年春にアンダーライブが始まって以来ずっと目指してきた会場*1でもあり、特別な意味のあるライブだとメンバーもヲタクも感じてたと思う。そんな大舞台2daysの1日目。自枠で当たった席がよくて、連番者も楽しくて、ライブ構成も面白くて、パフォーマンスにも感動しっぱなしで、ほんとにいいライブだった。

アンコールの最後の曲が始まる直前までは…。


「最後の曲です」の曲振りとほぼ同時にドーンみたいな音がしてスクリーンが黒くなり文字が映し出される。


永島聖羅から大切なお知らせがあります。


一瞬呆気に取られて、時間が止まったようにみんな固まって、でもすぐに武道館にいたほぼすべての人が今から起こることを悟ったようだった。「えー」とか「聞きたくないよー」とかいう叫喚が飛び交って、「まじか…」とか「これはやばい…」とか苦悩する声が漏れていた。

メンバーも驚き戸惑っている様子で、知らされていなかった展開のようだった。*2お互いに顔を見合わせたり、呆然として立ち尽くしていたり、誰も何も声を発することすらできていなかった。らりん*3の隣にいたきいちゃん*4、堀ちゃん*5はすぐに寄り添って泣き出して、それにつられるように各所でメンバーが固まりを作っていった。


スクリーンにはらりんの涙ぐむ顔が抜かれていた。らりんが何か話し出すのをみんなが待っているのだけど、堪えれば堪えるほど言葉が出てこない。自分を落ち着けようと頑張っていた。そのうち客席から応援したり名前を叫んだりするのが聞こえて、らりんは決意したように話し出した。ここまでせいぜい30秒の出来事だけど、短時間にたくさんの人のいろんな感情が渦巻いていてやけに密に記憶に刻まれた。

この場をお借りして、皆さんに話したいことがあります。私は17歳の夏に乃木坂46のオーディションを受けて、愛知県から上京してきました。それから4年間、本当にたくさんの勉強をさせてもらって、アンダーライブも始まりました。アンダーライブは私にとってすごく大切な場所です。そんな今日、ここ武道館でアンダーライブができて……アンダーメンバーはアンダーライブが始まったときから武道館を目指してきました。本当に皆さん、ここまで支えてきてくださって、本当にありがとうございます。
今日ここで、武道館ということで、区切りとして私はひとつの決断をします。私、永島聖羅は、乃木坂46を卒業します。私は次の夢に向かって、永島聖羅としての道を選びました。卒業の日にちとかはまだ決まってないんですけど、でも皆さんにもうずっと会えないわけではなく、今後も芸能活動は続けていきたいと考えています。私が自分で決めた新しい、次の夢への道です。ここまでアンダーライブを支えてくださった皆さん、本当にありがとうございます。そして、永島聖羅を支えてくださった皆さん、本当にありがとうございます。これからも乃木坂46、そしてここにいる輝かしい未来のアンダーメンバーを、どうか応援よろしくお願いします!

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話す内容はあらかじめ決めていたのだろう。涙ぐみながらもはっきりとした口調で語っていた。まず肝心の発表の前置きとして最初に口にしたのはアンダーライブへの思いだった。4年間で1度しか選抜入りしなかったらりんにとって、アンダーライブは乃木坂の中での大切な居場所であり、大きな意義を見出して情熱を注いできたのだろう。アンダーライブを、しかも集大成であるこの武道館の舞台を発表の場に選んだ意図が伝わってきた。


そしてついに"卒業"を発表した。

詳しいことは語られなかったが、夢のための前向きな卒業とのことだった。もう完全に泣いてるのだけど真剣な表情の間に時折笑顔を挟む。なんだろう、号泣されるよりも余計に感情をかき乱されて、もらい泣きしそうになった。この時点になるとメンバーの多くが泣いていた。特に中田さん*6、ずっと俯いていたのだけど卒業の言葉と同時にしゃがみ込み、泣き崩れた。特別仲のいいメンバーという印象はないが、アンダーの仲間であり、同い年であり、頼り甲斐のあるらりんのこと、すごく慕ってきたのだろうなあと感じた。中田さんは唯一モバメを取っているメンバーだが、このあと数日間急にモバメが病み始めたから、ほんとに衝撃だったのだろう。


最後のここにいる輝かしい未来のアンダーメンバーというフレーズ、何気なく口にしたのかもしれないが、らりんらしさみたいなものがすごく滲み出ている。彼女はいつでも誰に対しても配慮を忘れない。卒業発表で一番不安を与えてしまうのは残されたメンバーだと思う。ヲタクは意外と大丈夫なのだ。「応援よろしくお願いします」って言われたら、もちろんヲタクは「応援するよ」って応えるけど、これからどうなるのか不安に感じ始めているメンバーにこの声援を聞かせたかったのではないか。感情の極限の中で大きな発表をしているのに、仲間や後輩を勇気付ける人格者っぷりが発揮された瞬間だった。


アンコールラストは悲しみの忘れ方だった。もう、選曲がずるい。サイリウムは自然と黄色*7に変わっていて一面黄色の景色が出来上がっていた。中田さんはまだ号泣してしまってちゃんと歌えていなかったが、らりんは少し晴れた表情をしていた。

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今までアイドルのライブにはたくさん通ってきたが卒業発表というものに出会したのは初めてだった。卒業公演のいわゆる感動ムードは何度か体感したが、卒業発表はそれとはまったく違った。どちらかというともやっとするものなのだ。というのも発表のコメントだけでは卒業を決めた経緯も、今後の展望も、卒業までのスケジュールも、はっきりと伝えてくれることは少なく、全貌が見えにくい。つまりどういうことなのだろうという思索で頭がいっぱいになってしまう。また、ここまで高まってきたライブのボルテージが一旦寸断されてしまう。非現実的な幸せな夢から起き抜けに急に現実の難しい話をされる感じだ。まあそういうのもあってアンコールのラストの直前というシチュエーションが好まれるのだろうけど。アンコール前に「最高だー!」って言い合っていた連番者と、らりんにすべて持ってかれたねと苦笑しながら帰ることになった。


こんな書き方するとなんだか卒業発表してほしくなかったという感じに受け取られそうだが、そういうわけでもないというか。大事な場面にその場にいられたという少し誇らしい気持ちがある。どんなに映像や伝聞で知ろうとしても、体感した人にしかわからない会場の空気というものが存在する。卒業発表やサプライズに限らず、それを味わいたいというのが現場に行く最大の目的と言っても過言ではない。卒業発表によって公演を乗っ取られたのではなく、卒業発表までが構成であり、こうなる運命の公演だったのだと考えよう。


肝心のらりんの卒業に関してだが、私がまだ乃木坂を見てきて1年にも満たないせいか、イマイチまだ実感が湧かない。ヲタクを始めてから畠中清羅*8の卒業はあったがバースデーライブ*9で最後のパフォーマンスと聞いたときにへ〜と思った程度だ。そういう意味では初めて乃木坂ヲタクとして卒業メンバーを見送ることになる。らりんは好きか嫌いかでいえば好きなメンバーである。乃木坂に嫌いなメンバーなんていないけど。残りの時間の乃木坂46としての永島聖羅をしっかり記憶に刻もうと思う。卒業発表時には決まっていなかった今後の日程も発表された。

アンダーライブ全国ツアー3/19よりスタート!永島聖羅卒業コンサート開催決定!...|ニュース|乃木坂46公式サイト

卒業公演の冠はないものの実質卒業公演。センター級メンバーみたいな扱いでびっくりだが、これから数年卒業が連発すると思うので、アンダーメンバーでも舞台を用意してもらえそうで希望が持てるね。武道館が最後のステージになるかもと話していたので、もう一度ライブで見られるというのは素直に嬉しい。3rdシーズンあたりからチラチラ話題にするメンバーがいたが、アンダーライブの全国ツアーが実現することになった。*10その最初に名古屋が選ばれたのはらりんの出身が愛知県だからだろう。なかなか粋な運営である。行きたいね。



最後に記憶に残るアイドルの卒業発表を貼っておく。

一番は亀井絵里。理由は単純。好きすぎて何回も見たから。

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田中れいなは一大発表が軽すぎたことで有名。「ビックリしましたか?」「はーい」の客の軽さと最後の佐藤優樹の「いぇーい」がウケる。

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前田敦子は実にドラマチックな発表でさっき見つけて感動した。たかみなのコメントが素敵で、ヲタクの声もだんだん変化していく感じが素晴らしい。

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永島聖羅卒業のお知らせ...|ニュース|乃木坂46公式サイト

卒業発表☆永島聖羅 | 乃木坂46 永島聖羅 公式ブログ
感謝☆永島聖羅☆*703 | 乃木坂46 永島聖羅 公式ブログ

乃木坂46物語

乃木坂46物語

*1:アンダーライブ1stシーズンで星野みなみが目標として宣言したらしい。

*2:ひめたんだけ前日に伝えてたらしい。

*3:永島聖羅。せいらりんから変形して定着した。

*4:北野日奈子。2期生。サンクエトワール。

*5:堀未央奈乃木坂46の未来。

*6:中田花奈。私の推し。かなりんって呼べない。

*7:永島聖羅サイリウムカラー。ちなみに生田絵梨花なども黄色。

*8:2015年2月公式HPで卒業発表。4月の握手会で卒業。

*9:毎年デビューシングルの発売日である2月22日を誕生日としてライブを開催していたが2016年は延期が決定している。

*10:アンダーライブ武道館2日目で発表された。